弁護士の組織活動
日本の弁護士の多くは、法律事務所において自ら経営するか、または勤務して活動している。日本の法律事務所は、アメリカ・イギリスなどの大規模法律事務所と比べ規模が小さいが、近年は日本の法律事務所も合併などにより大型化し、四大法律事務所のように200人以上の弁護士が所属する法律事務所も増えている。法人化を認める弁護士法の改正がなされたことから、一部の法律事務所は法人化しており(その場合の名称が上記「弁護士法人」である。)、法人化した場合には、事務所を複数持つことができるなどのメリットがある。また、最近は企業に直接雇用される弁護士や、行政庁にて勤務する弁護士もわずかずつ増えてきている(「インハウスローヤー」)。
一般に弁護士が所属する事業体を指して「弁護士事務所」又は「法律事務所」と表現することがあるが、法的にはこれらは、単なる1人の個人事業か、任意組合か、あるいは弁護士法人である。
弁護士の事務所には、経営弁護士が複数の場合、組織法的には、民法上の組合や弁護士法人がある。また近時、日本は、イギリスのLLP制度に倣い、有限責任事業組合契約に関する法律を制定したため(2005年8月1日施行)、有限責任事業組合(日本版LLP)の形態をとることも可能となった。
一方、法的観点を離れた組織のあり方としては、共同事務所(複数の弁護士が経営を共同するもの)と個人事務所といった種類がある。扱う案件の内容によっては、渉外事務所(国際案件をも対象とする事務所、あるいは、かつて国際案件を主に対象としていた大規模な事務所)と国内系事務所、総合事務所(対象範囲が全般的ないしは広い)とブティック(専門分化し特定分野に強みがある)などのような分類がされることがある。
構成人数としては、弁護士が1人のものから400人以上のものに至るまで様々であるが、大人数の事務所は東京や大阪(特に東京)に集中している。